血管への後遺症「ドイツでは回復者の6割以上に心臓の異常」
問題は、新型コロナウイルス感染症で川崎病類似症やエコノミークラス症候群、脳梗塞や心筋梗塞の症状があらわれた人やその予備軍の人たちにどのような後遺症があらわれるかである。
■動くと心臓が苦しく、息切れ
川崎病に似た症状の発熱や発疹などが数週以内に軽快したとしても、冠動脈や心筋の炎症による冠動脈瘤や心機能低下が生じる可能性は残る。冠動脈瘤の先は血栓や炎症で狭くなっていることがあり、運動すると苦しくなる狭心症状が出ることもある。
エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)では、肺の梗塞により肺機能が落ちるだけでなく、肺動脈血流も減る。重症の後遺症として、低酸素症によるふらつき、息切れ、呼吸困難が起こる。最新の治療によりかなりの血栓は溶かされるので、肺梗塞、肺高血圧症や心不全が残らなければ、日常生活を取り戻せることが多い。しかし今までの報告をまとめると、感染者の3~5割の人に何らかの呼吸器障害が残っているので、正確な早期診断と慎重な経過観察が必要だ。
■足のむくみ、色素沈着、皮膚炎、湿疹が起きる