末期がんの痛みは「放射線と薬」で解消する 4割は死亡直前まで苦悶
しかし、骨転移が生じると、痛みやマヒ、骨折などで生活の質が損なわれやすい。抗がん剤などの治療がうまくいっても、そのような症状で外出がままならなくなれば、元も子もありません。治療途中にそうなると、時には治療中断を考慮することもあります。
ですから骨転移に代表されるがんの痛みは、しっかり取り除くことが大切。それに効果的なのが放射線です。たった1回の照射で骨転移の痛みは8割以上緩和されます。放射線はがんの3大治療のひとつで、骨転移にもとても効くのに、日本ではあまり行われていないのが問題です。
皆さん、骨転移の時は放射線治療ということを頭に入れておいてください。
末期がんの痛みは激しいことが多く、モルヒネに代表される医療用麻薬も欠かせません。モルヒネ↓麻薬↓依存性があって危険という連想から、ためらう人もいるでしょうが、医師の指示通り適切に服用すれば、まったく問題なく、痛みの緩和にとても有用です。
モルヒネを使うと、ほぼ全例に便秘が生じるので下剤を併用。3人に1人は吐き気や嘔吐が見られるので、それを抑える薬を併用すると、服用開始から大体2週間程度で吐き気はほとんど解消されます。