人工骨を使わない歯科インプラントは腫れない、痛くない
■人間には組織の再生能力がある
木村院長のやり方は実に簡単だ。骨を再生したい部分を専用のシートで覆い、コラーゲンや採血により患者さん自身の血液でつくったフィブリンの塊をその中に入れておくだけ。3カ月ほどで骨はインプラントに必要な骨量を回復。最初は治療した骨に負担がかからないよう、硬いものを食べないように指示するが、その後1カ月も経つと再生した骨の骨密度が向上して、もともとあった自家骨と変わらなくなるという。
「もともと人間は欠けた組織を再生する能力があります。再生するために必要な時間、必要な場所に組織を再生するのに必要な細胞が活動するための空間があれば再生できるのです。コラーゲンやフィブリンはもちろん、人工骨もその空間をつくるためのものに過ぎず、それ自体に骨を再生する力などありません。私がコラーゲンやフィブリンを使うのは、極力固形物を入れず、早く骨を再生するのに役立つからに過ぎないのです」
つまり、骨を再生するための空間づくりに固形物を体内に入れる必要はないと木村院長は言うのだ。