著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

初の認知症治療薬が登場か?それまで脳を健康に保つ方法

公開日: 更新日:

 行ったのは製薬会社「バイオジェン」と「エーザイ」。

 アルツハイマー型認知症は、アミロイドβペプチドという物質の沈着が引き金となって発症するといわれています。アデュカヌマブの臨床試験では、この薬の投与でアミロイドβペプチドが除去され、アルツハイマー型認知症による軽度認知障害(MCI)および軽度アルツハイマー型認知症の臨床状態の悪化を有意に遅らせられるとの結果が出ています。

 アデュカヌマブは、アルツハイマー型認知症の症状の悪化を抑制し、進行に本源的な変化をもたらす可能性のある、世界で初めての治療薬なのです。すでに米国、欧州で申請され審査が進んでおり、日本はアデュカヌマブの新薬承認が申請された世界で3番目の国になります。

 アデュカヌマブが承認されるかどうかはまだ分からず、承認されたとしても最初から多くの人に投与はされないでしょう。軽度認知障害や軽度アルツハイマー型認知症への効果が見られる薬なので、すでに進行していて使えない人、医学的、金銭的な問題で治療薬を使えない人などもいるでしょう。万人が気軽に使える薬になるまでは、ずいぶんと時間がかかると考えられます。 

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