薬用に使われていたフキノトウはアク抜きで天然毒素を排除
この季節、毎年楽しみにしているのが山菜だ。
先日、そば屋に行くと、天ぷらにフキノトウ。和風グラタンにもフキノトウ。酒のつまみに、フキ味噌。あの何とも言えない香りが口の中でパーッと広がり、「春だなぁ」という気持ちになった。
平安時代、フキノトウは薬用にされていたとか。フキノトウの苦味は、体の酸化を抑制するポリフェノール類によるもの。食物繊維が豊富なので、便通改善も期待できる。
東洋医学では、フキは血を巡らせ、咳、痰、便秘などに効果があり、体を温める作用がある。一方、フキノトウ(フキのつぼみ部分がフキノトウ)は体を冷やす作用がある。フキ、フキノトウいずれも、気管支炎、胸のつかえ、食欲不振改善にもいいとされる。
フキノトウを調理するときは、きちんとアク抜きを。というのも、農林水産省の調査で、フキノトウには「ピロリジジンアルカロイド類」という天然毒素が含まれていることが分かっているからだ。
農水省によると、ピロリジジンアルカロイド類はフキ、フキノトウどちらにも含まれているが、フキノトウの方が濃度が高い。ピロリジジンアルカロイド類は水に溶けるので、アク抜きで量を減らせられる。