世界で承認済みのワクチンの効果は変異株には弱まるのか?
【Q】毎年のように変異があるインフルエンザは、どのようにワクチンを開発しているのか
【A】 インフルエンザは1943年にA型、45年にB型のワクチン接種が始まった。
「インフルエンザはA型、香港型、ロシア型など変異が激しいため、毎年流行が予測される4つの型を混合したワクチンを作り、接種することにしています。予想通りにならない年もありますから、有効性はせいぜい4~5割とされています。それでも毎年一定の効果があるとして、世界中で接種されている。その点から考えても、ファイザーをはじめ新型コロナウイルスのワクチンは現時点で、変異株の有効性が合格点にあると思います」
【Q】アナフィラキシー症状は国内17例のすべてが女性。米国でもファイザーのワクチン接種後に症状が出た人の94%が女性だった。モデルナでは100%である。なぜか
【A】「可能性として、たとえばファイザーのワクチンには『ポリエチレングリコール』という合成化学物質の成分が入っています。mRNAの成分を保護する役割があり、ワクチン効果を強めます。一般的には無害の物質ですが、この副反応としてアレルギー症状が出ているという見方があります。口紅やハンドクリーム、カプセル状の薬にも使用されているため、女性の方がこの物質に対して抗体(Ige抗体)を持っていて、拒絶するのではないか。ただし、アナフィラキシー症状は抗ヒスタミン剤を投与することで、改善します。仕組みを学んでおき、過度に恐れないことが重要だと思います。死者は出ていません」
香港では、中国製薬大手シノバック・バイオテック製ワクチンの接種後、死者が出た。中国製は、他にシノファーム製の計2種類ある。いずれもウイルスをホルマリンで殺し精製したワクチンだ。「東京五輪の出場選手に提供したい」という声もあったが、なぜ大量に作れるのか謎も多い。