著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

トイレで用を足したとたんに…「排尿失神」のメカニズム

公開日: 更新日:

 夜、ビールなどを大量に飲んだ後、トイレで尿を出したとたんに失神を起こすことがあります。これを「排尿失神」といいます。排尿が失神の引き金(誘因)になることがあるのです。

「失神」とは、脳全体の血流が一時的に低下することで起こる意識消失(気を失う)を指します。通常、数分以内(多くは1分以内)に意識は回復して、後遺症などはありません。

 失神は、心臓病や不整脈が関与して起こる「心原性失神」、起立したときに交感神経がうまく働かず起こる「起立性低血圧」、副交感神経が過度に働いて脳血流が低下する「反射性失神(神経調節性失神)」の3つに大きく分けられます。

 また反射性失神には、過労・痛み・精神的不快感などが引き金になる「血管迷走神経失神」、日常のある特定の動作のときに起こる「状況失神」、頚部(首)の圧迫や首を回したり伸ばしたりすることが誘因になる「頚動脈洞失神」があります。

 そして排尿失神は、反射性失神である状況失神のひとつです。

 状況失神は、排尿以外にも「排便」「飲み込み」「せき」「吐く」「息こらえ」などの動作も誘因になります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  2. 2

    五輪ニッポン「破産」するスポーツ団体が続出か…JOCは早くも助成金の大幅減額通達

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  4. 4

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸300億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  5. 10

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは