小林幸子さん網膜剥離を振り返る 医師に「失明しますよ」と言われ頭が真っ白に…
そうしたら、先生が一言、「幸子さん、今から手術です」とおっしゃったのです。「え? 私のこれ、なんですか?」と聞いたら「網膜剥離です」と言うのです。それが2019年9月下旬のことでした。
驚いたのはその後です。「4日後にNHKの生放送があるので、それが終わってからじゃダメですか?」と尋ねると、先生はずいぶん考えて「うーん、間に合うかな」とおっしゃったの。ドキッとして「どういうことですか?」と聞いたら、「失明しますよ」と言われたのです。そのときの心境たるや、頭が真っ白になりました。
その日は、先生が譲歩してくださって自宅に帰りました。でも、「水平線から朝日が出るような、夕日が沈むときのようなオレンジ色の絵が見える症状が出たらすぐ来てください」と言われました。で、その翌朝、さっそく朝日が昇っちゃって(笑い)。結局、即手術になりました。
網膜剥離は、簡単にいえば部屋の壁紙が剥がれたような状態です。手術は2通りを提示されました。ひとつはガスを眼球の中に入れ、ガスの圧力で網膜を張り付ける方法。もうひとつはオイルを注入する方法です。ガス注入のメリットは1カ月ほどでガスが体に吸収されるので1度の手術で終わること。ただし、ガスを入れたら1カ月間は飛行機に乗れません。気圧でガスが膨脹してしまうからです。