死ぬときはがんが最適…医師の石蔵文信さん全身がんを語る
昨年2月、体調不良の原因が分からなかったときが一番つらかった。僕も医者なので“マズイもの”だとは察していました。でも、データを見ても前立腺がんだけでは説明がつかない。それが全身がんだとわかったときは、「ああ、なるほど。この病気ならこのデータになるな」と納得できました。
治療法もだいたいわかるし、最高に具合も悪かったので、冗談抜きで死をすぐそこに感じました。そこで腹をくくってしまったので、体調がよくなってきた今はラッキーぐらいに思って、わりと吹っ切れています。「あと2、3カ月先はわからない」と思いながら1年半生きている心境としては、「命が増えている」という感じ。ありがたいですよね。
■孫の世話と終活とスポーツで忙しい
死がまったく怖くないわけではありませんが、僕はがんになる前から「死ぬときはがんが最適」と考えていました。がんは、人生の終わりまでのプランニングがある程度できるからです。そもそも長生きは絶対にイヤで、70歳ぐらいで死ねるのが理想だと思っていました。あと2、3年先だとすれば68、69歳までなので、まあいい感じかなと思っているんですよ。