拒食症で体重23キロに…料理研究家Mizukiさん「死ぬんだと思いました」
Mizukiさん(料理研究家/38歳)=拒食症
23歳のとき、身長162センチで体重23キロになりました。それでも私は「拒食症じゃない」と言い続けていました。今は本来の食生活に戻りましたけれど、「やると決めたらどんなことをしてでもやる」という本質的な性格は何も変わっていません。今は料理に「100」の力を注いでいるので、拒食症が入る隙間がない感じです。
事の始まりは、高校1~2年生から始まったナゾの“焦り”です。勝手に「テストで100点を取らないとダメだ」と思うようになって自分を追い詰めて、ある日の昼食時、友人たちの前で突然泣き出してしまったのです。さらにそのまま早退して、しばらく不登校気味になりました。
その後、登校できるようになったものの、テストは0点か100点しか望まなくなりました。70点を取るくらいなら0点でいいと……。
次第に食べられなくなって、病院に行くと「うつ病」と「拒食症」を併発していると言われました。「0か100か」「白か黒か」という極端な性格が拒食症の原因だと今は思っています。
体重が減り出すと、今度は体重の数字にとらわれるようになりました。テストの点数から体重を減らすことに“目標”が切り替わったんです。そしてついに体重が23キロになったとき、胃痙攣を起こし、痛くて「死ぬんだ」と思いました。日々「死にたい」と思うほどつらかったのに、そのときなぜか母に「病院に連れて行ってほしい」とお願いしたんです。
市内の一番大きな病院へ行くと、延命治療が始まりました。大量輸血と血小板の入れ替え、骨髄穿刺などの検査です。すべての臓器が壊れかけていて、顔も体も内出血状態。24時間の点滴をすると、ものすごい勢いで全身がむくみました。循環機能がなくなっていたのです。利尿剤を入れたら数日で体重が7キロ減りました。それだけの水がたまっていたのです。
その頃は認知のゆがみも大きくなっていました。「自分はおかしくない」「痩せていない」と言う病気の自分と、「本来の自分を取り戻さないと」「家族に迷惑かけている。一口でも食べないと」と思う自分が常に闘っていました。でも、いつだって病気が圧倒的に強くて「食べてはいけない」と言う自分に勝てないのです。