ずっと夢を見ていた…歌手の井上あずみさん脳出血での緊急手術を振り返る
井上あずみさん(歌手/59歳)=脳出血
去年の8月26日でした。デビュー40周年記念コンサートの当日リハーサル中、最後の曲である「君をのせて」を歌い終わったときに「脳出血」で倒れてしまったんです。開場の30分前の出来事でした。
頭の右側がすごく痛くなって、それをアピールするために手で頭を押さえながら倒れ込みました。でもその瞬間に「あ、これは高価なマイクだから落としちゃいけない」と思って、床にそっと置いたのを覚えています。そういう演出かと思ったスタッフもいたくらいに丁寧に置いたんですよ(笑)。
でも記憶はそこまで。後から聞いた話では、舞台袖から駆け寄ってきた娘に、「わたしの代わりにやって」と言い続けていたそうです。娘も歌手ですし、40周年記念で遠方からもたくさんの人が来てくれていたので、どうしてもやってほしかった。じつは歌いながら、本番が終わった後の打ち上げのことばっかり考えていたんです(笑)。「大成功!」って乾杯して、お礼の言葉はどうしようって。だけどコンサートは中止。開場時間になっても扉を開けることができず、最寄りの駅まで長蛇の列ができて大変だったと聞きました。