慢性蕁麻疹は原因の特定や除去にこだわらずまず薬物治療を

公開日: 更新日:

■重症例も月1回の皮下注射×3回で7割が改善

 薬物治療はまず、薬で症状を出ないようにする。使うのは、花粉症などにも使う抗ヒスタミン剤だ。眠気などの副作用が少ない非鎮静性第2世代抗ヒスタミン薬を毎日飲んでもらう。通常量でよく効けば続行。効き目が不十分ならほかの抗ヒスタミン剤へ変更したり、薬の量を増やしたり、2種類を併用したりして様子を見る。

「2週間ほど服用してもらい、それでも症状が出るようなら、胃痛や胃もたれに使うH2-拮抗薬、鼻炎に使う抗ロイコトリエン薬を追加します。いずれも蕁麻疹には保険適用外になるため、慎重に投与を検討します」

 重症例にはこれでも効果がない人がいる。その場合、蕁麻疹の治療ガイドラインには、生物学的製剤のオマリズマブ、シクロスポリン、内服の副腎皮質ステロイドのいずれかの使用が記載されている。シクロスポリンは保険適用外、副腎皮質ステロイドは1カ月以内に減量または中止のめどが立たなければほかの治療への変更が検討される。

「私はオマリズマブを使うことが多いです。月1回の皮下注射で、3回の投与で約7割の患者さんの症状が改善します。当院では、重篤な副作用は出ていません」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド