血栓が一因…新型コロナで「じんましん」が出るケースも
たまたまか。最近、やたらと「じんましんに悩んでいる」という話を聞く。ある女性は半年以上、じんましんがほぼ毎日出ており、薬を欠かせない。「もしかして、これも新型コロナウイルスの症状……?」と悩み、自費でPCR検査も受けたが結果は陰性だった。
「コロナでじんましんが出ることもあります」
こう言うのは、じんましん治療に詳しい日本大学医学部付属板橋病院皮膚科医師の葉山惟大氏。
「ウイルスが血液中に入り内皮細胞を傷つけると、血栓ができやすくなります。すると血管に隙間ができ、アレルギーをつくる細胞が血管外に出ていき、じんましんが起こりやすくなるのです。ただし、これはウイルス全般の話。コロナで特にじんましんが起こりやすいとの指摘はあるものの、コロナに限ったことではありません。インフルエンザウイルス感染でじんましんが出てもおかしくありません」(葉山惟大氏)
そもそも、じんましんは原因を特定しづらい病気だ。じんましんというと「サバを食べるとブツブツが出る」「甲殻類に弱い」など食物アレルギーの話をよく聞くが、原因を特定できるじんましんは5%に過ぎず、7割が原因不明の「特発性じんましん」と呼ばれるもの。このうち半数は、症状が6週間以上続く慢性特発性じんましんだ。