「子供を入院させられない」母親がそう言わざるを得なかったのは…
この経験以降、「患者さんの病気を治療さえできれば、あとの生活が犠牲になっても仕方がない」といったこれまでの私の考えが百八十度転換。未経験ながらも、「在宅医療の果たす役割はとても大きいのでは」という気持ちを強めていったのです。
新しい在宅医療の力で、理不尽な環境を迫られてしまうときも、そのことをできるだけ回避することができます。患者さんやご家族のQOL(生活の質)は確実に向上するのです。
そんな患者さんやご家族の事情に寄り添う在宅医療の可能性は今後もますます求められると考えています。