C型肝炎は「治る時代」なのに「治らない患者」がいる理由
前述の通り、効果が高く、安全な薬が登場している。C型肝炎ウイルスに感染しているなら、速やかに適切な治療を開始すべきだ。
「症状がないから大丈夫」というのは、C型肝炎において大きな間違いであることはこれまで述べた通り。もうひとつ、よくある間違いが「治療でC型肝炎ウイルスを排除したから、肝臓がんにならない」。
「ウイルスを排除できれば肝線維化ステージは4年で1段階良くなります。海外のデータでは、直接的抗ウイルス薬でウイルスを排除することにより肝臓がん発生率は4分の1となりました。国内外のデータでは、5年間の肝関連死が66%低下しました」
確かに肝臓がんのリスクは減少しているが、見落としてはいけないのは「0」になったわけではない点。ウイルスを排除しても、がんになる可能性はあるのだ。
「しかし、早期発見をすれば予後がいい。そのためには、ウイルス排除後も定期的な通院、検査が必要不可欠です」
健康な人なら年1回の健康診断や人間ドックでいいが、C型肝炎ウイルス感染経験者は、それでは不十分。目安は、慢性肝炎や代償性肝硬変だった人は半年に1回、非代償性肝硬変だった人は3~5カ月に1回。検査では、肝機能検査を含めた血液検査、超音波、腫瘍マーカーのチェックなどを行う。
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C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかまだ一度も検査を受けたことがない人はHCV抗体検査を。居住地域の保健所や医療機関で受けられ、地域によっては無料で受けられる場合がある。