電気自動車の普及で寿命が延びる? 大気汚染による早期死亡が減ると米国の研究チームが報告
米国では、温室効果ガス排出量の約3割を交通手段が占め、その90%以上がガソリンやディーゼルなどの石油系燃料で占められています。一方、電動モーターによって走る電気自動車は、大気汚染物質を排出しません。そのため、自動車の動力を、内燃機関(エンジン)から電動モーターに替えることは、交通手段の脱炭素を実現し、大気汚染を減らすための有効な手段だと考えられています。
大気汚染が人の健康に与える影響は大きく、汚染によって平均寿命より早く亡くなる人(早期死亡者)は毎年200万人を超えるとの報告もあります。
そんな中、持続可能なエネルギーに関する専門誌の電子版に、電気自動車の普及と早期死亡に与える影響を検討した研究論文が、2022年11月28日付で公開されました。
この研究では、米国環境保護庁が開発した大気質モデルを用いて、米国30都市圏における電気自動車の普及と、それに伴う早期死亡数や経済的影響を分析しています。なお、大気質モデルとは、大気汚染物質の量と環境中の濃度の関係を数学的に表した模型(モデル)のことです。