健康のための運動は夕方よりも朝がいい? 8.7万人の6年間追跡調査で明らかに
運動不足や肥満、糖尿病、高いコレステロール値などは将来的な心臓病のリスクを高めることが知られています。リモートワークの普及などで座って過ごす時間が長い傾向にある現代人にとって、運動不足を解消することは心臓病を予防する効果的な手段だといえるでしょう。
実際、運動量の多い人は、心臓病リスクの低下と関連していることが、複数の研究データによって明らかにされています。
しかし、運動をする時間帯の健康への影響についてはよく分かっておらず、運動を朝に行うべきか、夕方に行うべきか、一貫した結論は得られていませんでした。そんな中、運動をするタイミングと心臓病リスクの関係性を検討した研究論文が欧州心臓病学会誌の電子版に2022年11月14日付で掲載されました。
英国の大規模データベースを解析したこの研究では、8万6657人(平均61.6歳、女性58%)が対象となりました。加速度計を用いて測定された身体活動の情報に基づいて、運動量のピークが「早朝(午前8時前後)」「昼前(同11時前後)」「夕方以降(午後7時前後)」「平均(集団全体で平均した時間帯でおおむね正午)」の4グループに分け、心臓病の発症リスクを比較しています。なお、結果に影響を与え得る、年齢、性別、喫煙状況などの因子について統計的に補正をして解析されました。