東敬一朗
著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

ステロイドを中止する時は「リバウンド」を避けるため徐々に減らしていく

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 余談に近い内容になりますが、内服でステロイドを用いる時、多くの場合、飲み方は1日1回、そして朝食後となります。量が多くて1日2回に分けて服用しなければならない場合でも、朝食後の量が多く、もう1回(昼食後または夕食後)の量は少なくなることがほとんどです。

 ここにもちゃんと意味があります。当欄の3月18日付でお話ししましたが、ステロイドは副腎皮質ホルモンのひとつで、本来は体の中でつくられているものです。副腎皮質ホルモンはずっと一定量が体の中にあるものではなく、朝方に最も多く分泌され、夕方にかけて減っていきます。クスリとしてステロイドを用いる場合でも、こういった副腎皮質ホルモンの体内リズムに似せる必要があるため、前述のような服用方法になるのです。

 では、夕食後にステロイドを多く服用したりするとどうなるのかというと、眠れなくなります。つまり、「不眠」という副作用が追加されてしまうのです。

 ステロイドはたくさんの副作用がある半面、とても重要なクスリです。以前は“魔法のクスリ”であるかのように乱用され、そして副作用がたくさん起こってしまい、怖いクスリであるかのようなイメージが付いてしまった時期がありました。

 しかし、今では本当に必要な場合に必要な量だけが用いられるようになったので、そういったイメージは過去のものです。できるだけ副作用が起こらないように考えられていますので、過度に不安にならずにうまく付き合っていきましょう。

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