選択バイアス、情報バイアス、交絡因子…コントロールできるバイアスと、できないもの
情報を得て、考えて、判断に至るまでの距離について書いているのだが、その隔たりは意外に長い。情報そのものの問題をまず考慮しないといけないのだが、そこにはバイアスが避けられない。バイアスについて知らずに考えることは困難である。そこで、今回も引き続きそのバイアスについてである。
情報が表す3つのものとして、「真実」「バイアス」「偶然」というフレームを紹介したが、主なバイアス3つといえば「選択バイアス」「情報バイアス」「交絡因子」である。
まずは「選ぶところにバイアスあり」ということであるが、これは前回紹介したがん検診を受ける人はがん検診以外にも健康に気を付ける人が多く選ばれるために、検診の効果を過大に評価しやすいというバイアスである。マスクをつける人は、マスク以外にも感染対策をいろいろ心がける人が多く選ばれるために、効果を大きめに見積もりやすいというのも同じである。
このバイアスは、研究を実施する際に自発的に参加者を募る限り、避けることができず、そのうえ医療行為の効果を過大に評価しやすいという大きな問題がある。