片頭痛の新薬は“効き”が速い…使う前に必ず脳波検査を受ける
いずれの注射も3カ月から半年は使い続けて、脳に頭痛の少ない状態を認識させる必要があります。そのため、保険適用でもまだまだ高い価格はネックのひとつ。また、これらの注射は、日本頭痛学会、日本神経学会、日本脳神経外科学会、日本内科学会、いずれかの専門医として認定されている医師だけが処方できます。そのため、患者さんは事前に処方できる病院をチェックしなければなりません。
さらに、病院に行って、その場ですぐに注射を打つことはできません。
必ずMRIなど、脳の検査を行い、脳血管解離やくも膜下出血など脳の血管にトラブルがないか、脳腫瘍など脳の病気が潜んでいる可能性はないかなど、二次性頭痛を除外することが必須です。
3種の新薬はどれも“立ち上がり”が非常に速いのが特徴。実際、当クリニックでも新薬を処方した患者さんから「頭が軽くなった」「生活が楽になった」と喜ぶ声をちょうだいしています。
ただ、私はやみくもに処方していいものだとは思っていません。必ず脳波を確認し、その患者さんがどの程度「脳の過敏性」が高まっているかを見る。まずはこの連載でも何度もお話ししたように「予防」を徹底していただき、発作がひどいときにはトリプタン製剤を服用してもらう。