「片頭痛」の新薬3つはすべて注射で副作用がほとんどない
2021年、片頭痛の新薬が登場したことはご存じでしょうか。その新薬は3種類。「エムガルティ」「アジョビ」「アイモビーグ」です。
薬というと、錠剤の飲み薬を想像する方がほとんどかと思いますが、この3種類の新薬はすべて注射。いずれも皮下注射で、基本的には毎月1本打つものとなります。
これらの注射と、片頭痛の処方薬として現在もよく知られるトリプタン製剤とは、錠剤と注射ということ以外にどのような違いがあるのか。わかりやすく解説していきたいと思います。
まずは片頭痛が起きるメカニズムからおさらいしましょう。
片頭痛は、脳の血管の周りにある三叉神経からCGRPという血管を拡張させて炎症を起こす物質が放出されることで起きる症状。
CGRPが放出されると脳の血管が膨らみ、神経が圧迫される。「そういう状態になっているよ」ということが脳に伝わり、脳が痛みとして認識する。それが片頭痛となります。
現在も広く片頭痛の治療に使用されるトリプタン製剤は、急性期発作時に異常に放出されるこのCGRPの出口を塞ぎ、広がった脳血管を収縮させる効果がある。ただ、薬ですから、やはり副作用も報告されています。