高血圧症の克服(2)暴飲暴食、ストレス、運動不足…投薬治療開始を告げられた20年前の生活
「血圧が少し高い。降圧剤を出しましょう」
20年前、中年期を迎えた早川栄治さん(仮名.69歳=埼玉県在住)は、自宅近所のクリニックでこう診断された。
都内に事務所を構えイベント企画会社を経営している早川さんは、身長170センチ、体重が75キロ。肥満判定基準(BMI)からすると、3キロほどの太り過ぎである。
ただし血液検査の結果は「中性脂肪」(基準値30~149)が、152。少し高い数値を除けば、体に別段異常はなかった。
早川さんの高血圧症は、何が原因なのか。当時のクリニックの院長は次のように説明した。
「高血圧の原因として、まず肥満、それに塩分の取り過ぎ、過剰な飲食、運動不足、ストレス、野菜不足、また喫煙もそうです。長年こうしたリスクを重ねると、血管が厚く、硬くなり、動脈硬化を起こし、血圧も高くなります」
思い当たる節が多々あった。30代の初め、会社を起こしてから仕事をひとりで切り盛りし、多忙時は徹夜状態。疲れたらソファでごろ寝し、食事も早い安い、の立ち食いそば三昧。酒は仕事関係者と毎晩浴びるように飲み、泥酔した。