高血圧はカテーテル治療で治す 降圧剤は一時的に下げるもの
高血圧は、心臓病や脳卒中など多くの病気の原因になります。塩分を多く取っていたり、肥満があると血圧は上昇するので、高血圧ではまず生活習慣の改善が必要とされ、それでも高い血圧が持続する場合には、降圧剤と呼ばれる薬を飲むことになります。
降圧剤は高血圧を治す薬ではなく、一時的に下げる薬なので、その治療は長期間継続する必要があります。今使用されている降圧剤は副作用が少なくいい薬ですが、それでも飲み続けることが患者さんにとって負担になることは確かです。また、降圧剤があまり効かない治療抵抗性の高血圧の患者さんもいます。それでは、高血圧を治すような、薬に代わる治療はないのでしょうか?
「超音波腎デナベーション」という治療が開発され、今注目されています。これは特殊なカテーテルを血管に挿入して、腎臓を栄養する血管の周辺にある交感神経を超音波によって焼灼する、という外科的治療です。交感神経は血圧調節に重要な働きをしていて、その部分を焼灼することにより血圧は持続的に低下するのです。
今年の米国医師会雑誌に発表された報告によると、治療抵抗性の高血圧の患者にこの治療を行うことにより、降圧剤を飲まなくても血圧の改善が認められました。
これはまだ短期間の報告ですが、今後その安全性や長期の有効性が確認されれば高血圧は薬を飲まずに治すことが可能となるかもしれません。