誰かと話がしたくて…在宅医療を始めた75歳女性から涙声で電話がかかってきた
あまり知られていませんが、統合失調症やうつ病など精神の病気を併発し、不安や心細さを感じながらも在宅医療を導入し自宅で過ごしている患者さんがたくさんいます。そんな患者さんからは比較的多く電話がかかってきます。
その他でも、体調や病状が悪くないけど「今日はちゃんとお薬を飲めました」といった服薬の報告で電話をかけてくる方もいます。今まではできなかった動作ができるようになったと、健康な人からすればなんてことのない日常の報告が大半。でもそれは、それぞれの患者さんにしてみれば、療養生活の中で宝石のように輝く希望であり、発見や喜びの数々なのです。
そんな対話を重ね、患者さんの不安や喜びに一緒になって寄り添うことが大切だと考えています。決して自宅に訪問している時だけが在宅医療ではなく、電話を介しての心の声に寄り添うこともまた、重要なのです。