堀田秀吾
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堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「誰かに教える」という気持ちを持って学ぶと記憶力が向上する

公開日: 更新日:

 その結果、自由記述と短答式、双方において①のグループの成績が良くなったといいます。教えることは、自分の持つ知識や技術を、学ぶ側(学生や部下など)に一方的に伝える作業に見えるかもしれませんが、学ぶことと教えることは表裏一体です。

 私は、学生時代の塾講師のアルバイトを含めると30年以上も教える仕事に携わっていますが、「教える=学ぶ」だと常に痛感しています。

 教えるためには、内容をしっかりと理解する必要がありますよね。また、教える行為そのものに、頭の中をいったん整理して、自らの理解を深める効果があると、私自身感じています。ネストイコらの実験が面白いのは、勉強するときに「後で誰かに教える」と思っているだけで効果があるという点でしょう。

 みなさんも思い当たる節があるはずです。誰かに大事な伝言を伝えてくれと頼まれたとき、その内容は他の記憶よりちゃんと覚えているはずです。それは、あなたに正確に伝えたいという気持ちがあるからこそ、頭の中にインプットされやすくなり、理解につながっているから。そう考えると、誰かに教えると意識しながら学ぶというのは、たしかに物事をより咀嚼(そしゃく)して定着させられそうです。

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