堀田秀吾
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堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

行列は嫌なのに、行列ができている店に並んでしまうワケ

公開日: 更新日:

 行列に並ぶことに対して抵抗がない人は約3割ほどで、ほとんどの人は並ばずに入りたいと考えていることが分かります。ところが、実際には日本各地で至る所に行列ができていますよね。まさしく、「できれば並びたくないけど、人気や話題性を考慮すると自分も体験しておきたい」といった同調行動が働いていることが示唆されているわけです。

「一匹の馬が狂えば千匹の馬も狂う」とは、裏を返せば、一人で考えるときは正確な判断ができるのに、熱狂した集団の中に入ってしまうと、自分も荒れ狂った一匹の馬になってしまうということです。

 また、同調行動は社会が安定していればいるほど一般的な行為になるといわれていて、「行列が大好き」「みなと同じことをしたがる」などの日本人が取りがちな行動の背景には、それだけ私たちが平和な世の中を生きているとも言えるのかもしれません。

 アメリカの経済学者ハーベイ・ライベンシュタインが創作した用語に「バンドワゴン効果」という言葉があります。多くの人たちが同じものを選んでいると、自分も同じものを選びがちになるという心理的用語です。初めて入った飲食店で、お客さんのほとんどがハンバーグを食べていたとしたら、「きっとこのお店はハンバーグが有名なんだろう」と勝手に解釈してしまうのは、バンドワゴン効果が働いているからです。

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