堀田秀吾
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堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

ネガティブな言葉の前提をつくらない…それが脱ストレスになる

公開日: 更新日:

 言葉というのは、使い方によって物事の印象を変えてしまう力を持ちます。たとえば、事故の映像を見て、それを第三者に伝えるとき、「激突した」と伝えたときと、「当たった」と伝えたときでは印象が大きく変わると思います。前者は、大きなクラッシュを想像しますが、後者は普通の事故を想像するのではないでしょうか。

 言葉一つで、他者に与える印象は変わってしまう。それを示す、心理学者のハリスが行った実験(1973年)があります。

 実験の参加者には、バスケットボール選手を見てもらい、その人の身長がどれくらいだったかを答えてもらうというシンプルなものです。ただし、質問する際の言葉のチョイスをグループによって変えました。

 Aグループの人たちには、「バスケットボール選手の背の高さはどれくらいでしたか?」と聞き、Bグループの人たちには、「バスケットボール選手の背の低さはどれくらいでしたか?」と聞きました。その結果、両グループの間でなんと平均で30センチも開きが生じたといいます。同じ人を見たはずなのに、Aグループは2メートルの大男という印象を持ち、Bグループは170センチ程度の印象を覚えた。もはや別人かと見まがうほど、双方の印象が異なっていたというわけです。

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