「モーツァルト」を聞くと頭が良くなるのは本当か? 集中力が高まる?
【Q】娘から、孫が来年私立中学を受験すると聞きました。「いまの子供は大変だなあ」と思いつつ、机に向かう孫を見ているとイヤホンで音楽を聴きながら勉強をしている様子。妻に「あれじゃ期待薄だな」と言うと、「あら、音楽は頭を良くするみたいよ」とのこと。音楽を聞くと頭の回転が良くなるというのは本当ですか?
【A】モーツァルトを聞くと「集中力が高まる」「胎教に良い」などという話があります。そのもとになったのは、1993年に米国の心理学者が有名な学術誌「ネイチャー」に発表した研究論文です。大学生31名にモーツァルト作曲の「2台のピアノのためのソナタ ニ長調 K.448」を10分間、聞かせた直後にIQテスト(空間認識)を受けさせたところ、そうでなかった時よりも成績が良かった、というものです。「モーツァルトの曲のテンポやリズムなどが脳全体を活性化させるのでは」というので、モーツァルトのCDがたくさん売れたことを記憶されている人も多いのではないでしょうか?
その後、追試がいくつも行われ、たくさんの論文が報告されました。その中には「モーツァルトだけでなく音楽ならすべて良い」というものから、「まったく効果はない」というものまで、さまざまな結果が示されました。現在もその結論は出ていません。