認知症の親から何度も電話が…どう対処すればいいのか
人と関わる時間を増やすと不安が紛れやすく
頻繁な電話で困ったら、まずは不安にならないよう認知症の方が1人で過ごす時間を減らす工夫をしてください。日中はデイサービスに通所したり、定期的に訪問ヘルパーに様子を見に来てもらうなど、人と関わる時間を増やすと不安が紛れやすくなります。冒頭の女性も、娘さんによると日中は何もせず自宅で過ごしているとお話しされたので、デイサービスに通い出したところ、電話の回数が1日2回まで減ったと言います。
また、認知症の方は何か知りたいことがあるから電話をかけています。そのため、会話の内容は毎回同じであるケースがほとんどです。「そういえば私が捜していたあの書類どこにある?」など、こちら側から相手に質問を投げかけると、それを捜すことに気を取られ、本来自分が気になっていた質問から意識がそれやすくなるので、ぜひ試してみるといいでしょう。
▽内野勝行(うちの・かつゆき) 帝京大学医学部医学科卒業後、同大学医学部付属病院神経内科非常勤医などを経て、金町駅前脳神経内科院長。厚生労働省認定認知症サポート医、緩和ケア認定医。著書に「記憶力アップ×集中力アップ×認知症予防 1日1杯 脳のおそうじスープ」がある。