トリプルネガティブ乳がん…新たなメカニズムの薬の登場で診療はどう変わる?

公開日: 更新日:

■再発しやすく選択肢が少ない

 トリプルネガティブ乳がんは、他のタイプの乳がんと比較して転移・再発を起こしやすく、再発となると、だいたい術後5年以内に起こる。転移・再発が判明した場合、免疫チェックポイント阻害薬が適用するなら(注1)、免疫チェックポイント阻害薬と抗がん剤を組み合わせた治療が第1選択になる。免疫チェックポイントが適用しない場合には、抗がん剤を中心にした化学療法となる。

「新薬トロデルビは、転移・再発トリプルネガティブ乳がんの治療の第2選択となります。2つ以上の抗がん剤治療で効果が見られない場合に、トロデルビが使われます」

 転移・再発トリプルネガティブ乳がんで2つ以上の抗がん剤治療歴のある患者529例を対象とした海外の臨床試験では、脳転移のない場合、抗がん剤単剤と比較して無増悪生存期間が約3倍、全生存期間が約2倍近く、有意に延長した(注2)。

「新薬と同じ抗体薬物複合体は他にも乳がんに対して開発が進められています」

 今後はより治療選択肢が増えることが期待できる。

  ◇  ◇  ◇

注1 細胞の表面にタンパク質PD-L1が発現している場合、適用。
注2 無増悪生存期間とは治療中にがんが進行せず安定した状態の期間。全生存期間とは治療開始日から生存した全期間。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山本舞香が橋本環奈の“救世主”に?「おむすび」で共演決定、2人は「芝居でぶつかり合える」と認める仲

  2. 2

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  3. 3

    「おはよう日本」(後編)「あなたを見ていると憂鬱になる」というクレームも

  4. 4

    山本舞香結婚でXにあふれた「舞香ん家」って何だ? 伝説の「お前が挨拶しろ」エピソードを思い出すファン続出

  5. 5

    「極悪女王」に納得!配信が地上波より段違いで面白いワケ 制作費やギャラ、俳優の士気も雲泥の差

  1. 6

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 7

    フェンシング宮脇花綸がバラエティー番組に引っ張りだこ!美貌とトーク力に若手芸人お手上げ

  3. 8

    妻・瀬戸サオリの反論が"トドメ" ジャンポケ斉藤は消滅危機…インスタには4歳の息子の写真がまだ…

  4. 9

    大量離脱? 橋本環奈『おむすび』失速は“ギャル”のせいか“脚本”か…巻き返しのカギは麻生久美子、仲里依紗と…

  5. 10

    "激ヤセ"で産休から早期復帰した土屋太鳳の女優魂 戸田恵梨香は"美をキープ"しつつピンポイント出演