著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

命を延ばす薬(4)心不全に対するACE阻害薬…延命効果は41日?

公開日: 更新日:

 さらに、臨床試験3研究を統合解析した研究論文によれば、心不全患者に対してACE阻害薬を投与すると、プラセボを投与した場合と比べて、平均で41日間の延命効果が得られました。なお、このデータは3年間の調査期間に基づく解析結果であり、実際の寿命を踏まえると、より長い延命効果が得られるものと考えられます。

 もし仮に、調査期間と延命効果が比例するのであれば、30年間で410日の延命効果が得られることになります。ただし、この延命効果の見積もりは、単純計算に基づく筆者の仮説にすぎません。死亡リスクに与える要因は多岐にわたるため、実際の延命日数の見積もりには大きな不確実性が伴います。ACE阻害薬を服用しても、大きな延命が得られない人もいる一方、平均的な効果よりも長い延命が得られる人もいることでしょう。

 とはいえ、心不全患者や高血圧患者におけるACE阻害薬の有効性は決して小さいものではありません。近年では、心不全に効果が期待できるとされる薬が数多く登場しています。そのような中でも、ACE阻害薬はβ遮断薬と同様に、心不全治療に対する標準的な治療薬としての役割を担っています。 =おわり

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」