痛みが消えても進行は続く…「虫歯」を放置すると命に関わる病気につながる危険あり
男性は総合病院を受診したが、「ウチでは処置できない」と言われ、より高度に感染症への対応ができるほかの病院へ救急搬送。即入院となり、呼吸を確保するための気管切開や抗生剤の投与などを受け、退院できたのは3日後だったという。
口腔底蜂窩織炎は、舌の下にある口腔底に発生する感染症で、進行すると呼吸困難や胸痛が生じ、抗生物質の投与や患部を切開して膿を排出する治療を迅速に行わないと、敗血症などの重篤な合併症を引き起こす可能性がある。
事なきを得たその男性は、退院後に斉藤歯科医院を訪れ、「命を救われました」と感謝していたという。虫歯の放置は命に関わる危険もあるのだ。
■顔に穴が開くケースも
虫歯とは、口の中にすむ虫歯菌が産生する酸によって、歯の表面のエナメル質、その下層の象牙質が溶かされ、痛みが出たり歯に穴が開いてしまう疾患だ。溶解がエナメル質だけにとどまっているごく初期の段階ではほとんど痛みはなく、適切なブラッシングを続ければ治るケースもある。だが、溶解が象牙質まで進むと、飲食時にしみたり痛みを感じるようになる。