インフル感染は重症化リスク…糖尿病とその予備群は「口腔ケア」に要注意
人は自覚なく手で顔や目、鼻を触る。接触感染しないよう、まめな手洗いも必要だ。
免疫力のない子供のおもちゃや、高齢者と共用するテーブルなどを塩素系消毒薬や70%以上の濃度のアルコールで拭くのもいい。ただし、物に付着したウイルスは2~8時間で人への感染力を失う。神経質になる必要はない。
口腔ケアにも注意したい。
インフルエンザウイルスの表面には2種類のスパイク状のタンパク質がある。うち、1種類が細胞のレセプターに結合後にもう1種類のタンパク質が乖離して初めてウイルスは細胞内に侵入できる。
「それには、タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)が必要です。この酵素は細胞の表面や細胞内だけでなく細菌も産生しています。特に歯周病菌が多い。歯磨きはきちんとしましょう。実際、口腔ケアにより口腔細菌数の減少とインフルエンザ罹患率の減少が相関することが報告されています」 唾液にはウイルスの侵入を防ぐ働きがある。唾液の分泌量を増やす工夫をすることも感染対策になる。
「唾液量は咀嚼回数が増えれば多くなります。無糖のガムを噛んだり、ひと口30回を意識したり、噛み応えのある肉や野菜などの食材を選ぶのも手です。食事中に水などで口の中のものを流し込むのも改めましょう。また、口呼吸は口の中が乾いて歯周病菌が増えて感染しやすくなります。鼻呼吸を意識しましょう。緊張やストレスは唾液の分泌量を減らすので、ため込まないようにしましょう」