「家族全員、死ぬかも…」衝突炎上したJAL機 恐怖と混乱の5時間…乗り合わせた本紙社員が振り返る
「皆さん、頭を下げて!!!」
すぐにキャビンアテンダント(CA)の叫び声が機内に響いた。筆者も他の乗客たちも頭を下げたが、すでに飛行機は完全に停止。瞬く間に焦げくさい臭いが充満してきた。「いまさら頭を下げても意味があるのか」という空気になり、多くの乗客が頭を上げて逃げる準備を始めた。
それからはほとんどアナウンスは聞こえなくなった。「キャプテン! キャプテン!」とマイクに向かって叫ぶCA。しかし、もう機内放送は機能していなかった。炎はどんどん大きくなり、機内に煙が流れ込んできた。
「大丈夫です! 大丈夫です! 席を移動しないでください!」と呼びかける声に、「早く出して!」「扉を開けろ‼」などと叫ぶ乗客。しかし、意外にも混乱は広がらなかった。乗客たちはほとんどが冷静で、扉が開くのを自席で待っていた。
■脱出後も寒空の下で1時間「待機」
扉が開くとすぐに、「荷物を持たないで外に出て!」と言われ、扉に近い順から次々に脱出シューターで滑り降りる。筆者も3歳の長男を抱えてシューターを滑り、機体から距離を置いた。少し離れたところで妻と9カ月の次男、義母、兄夫妻と合流。