試験勉強は過去問で出題傾向をつかむのが先…出題率上位20%の問題で50%得点が可能に
■過去問が先、参考書は後
国家試験、資格試験などの勉強をする場合、ほとんどの人はまず教科書、参考書、テキストで、ある程度勉強して実力をつけてから、腕試し的に「過去問」に挑戦すると思います。しかし実はこの勉強法では、かなりの無駄が発生しています。どこが試験に出るかわからないので、全ての部分を均等に勉強し、均等に暗記するしかないからです。
私のやり方は、全く逆です。まず、過去問にひと通り目を通します。最初は解けないでしょうが、それでもいいのです。とりあえず、どんな問題が、どんな形式で出ているのかを徹底的に把握します。
過去問分析でお勧めの方法は、出題された部分について全て「テキスト」のどこにあるかを探し、該当箇所を蛍光ペンで塗っていくという方法です。四択問題であれば、正答以外のひっかけ選択肢の部分も、「出題された」ということで蛍光ペンで塗っていきます。これを過去、最低3年分以上、できれば5年分さかのぼって行うと、どんな問題が、どの分野から、どのくらいの難易度で出題されているのかが、手にとるように見えてきます。
つまり、「ここは、過去に何度も出題されている」「ここは過去に一度も出題されていない」という傾向を分析することで「ここは出そうだ」「ここは出ないだろう」ということが見えてくるのです。
「過去問が重要!」というと、過去問を必死に丸暗記しようとする人がいますが、これは間違った過去問の使い方です。過去問と全く同じ問題がそのままの形式で出題される可能性は低いからです。したがって、過去問と「同種」「同系統」の問題が出た場合も正答できるように準備しておくことが重要になります。
そのためには、過去問を解く場合、問題を解くだけではなく、「出題者の心理を分析する」ことが重要になります。
「出題者はどういう意図でこの問題を出しているのか?」を1問ごとに吟味し、考えてみる。問題は変わっても、「出題者の意図」は、そう大きく変わるものではありません。「このくらいの知識は理解しておいて欲しい」という「このくらいのライン」が、たくさんの過去問を分析することで見えてくるのです。
「どの問題が出たか」という視点で問題を解くと「過去志向」になります。そうではなく、「どんな問題が出ているか」「これからも、同じ傾向の問題が出るはず」という予測をしながら「未来志向」で問題に向かうことで、過去問分析の効果は最大化できます。
試験勉強の第一歩は、まず過去問を分析、研究することです。
■過去問分析で満点がとれた!
私が過去問分析をはじめて行ったのは、中学3年生、高校受験のときです。「英語」「国語」「数学」などは、「理解」して考えないと正解できない問題が多い反面、「社会」に関しては、地理や歴史など、暗記すれば正答できるものが圧倒的に多いでしょう。
暗記するだけで攻略できるのなら、徹底して暗記してやろうじゃないか。でも、教科書1冊を丸ごと暗記するのは辛(つら)い。そこで、過去問の登場です。
私は北海道出身なので、北海道立高校の過去5年間分の「社会」の過去問を全て解きましたが、それだけでは傾向がつかめませんでした。そこで、47都道府県の公立高校の入試問題が全て掲載されている問題集を買ってきて、全ての過去問(1年分)を分析しました。
入試問題として出された項目、全てを調べ、参考書の該当箇所に「蛍光ペン」で印をつけました。そして、「過去に出題された全ての項目」をノートにまとめました。「これを全て暗記すれば、社会で満点がとれる!」という、暗記項目の決定版を作ったのです。思ったほど項目数は多くない。この程度なら全部暗記できるぞ、というシンプルなノートです。
その後、模擬試験を受けても、このノートから90%以上が出題されることがわかりました。当時中学3年生ではありましたが、「試験に出る」ラインと「試験に出ない」ラインを、塾講師なみに見抜くことができるようになっていたのです。
そして「理科」についても、同様のノートを作りました。
さて、高校受験本番。社会と理科は、満点でした。ほとんどが自分のノートから出題されていますから、楽なものです。暗記中心でいける科目に関しては、過去問分析だけで、かなりの高得点がとれるのです。とにかく、試験は、過去問命!