試験勉強は過去問で出題傾向をつかむのが先…出題率上位20%の問題で50%得点が可能に
■勉強はまず「重要な部分」から始める〜「上位2割記憶術」
あなたは今、魔法の教科書を持っています。
試験に非常に出やすい「2割」と、たまにしか出ない「8割」が色分けされているのです。あなたは、試験に非常に出やすい「2割」とたまにしか出ない「8割」のどちらを先に勉強しますか?
この二者択一で聞かれると、誰もが試験に非常に出やすい「2割」から勉強すると答えるでしょうが、実際の勉強の場面では、ほとんどの人は、教科書の1ページ目から勉強し始めるのです。
あるいは、試験範囲が決まっている場合は、その範囲の頭のページから勉強を始めるので、結局、時間不足で最後の3割くらいは捨てるしかなくなるのです。試験においては、最初の1ページ目から勉強するのではなく、まず試験に出る確率の高い「重要な2割」から勉強し始めるべきなのです。
「パレートの法則」というものがあります。
別名「20対80の法則」といわれており、例えば、「20%の仕事が80%の収入を生んでいる」とか、「20%の人間が80%の富を蓄えている」という法則です。
勉強についてもパレートの法則がほぼ当てはまるはずです。その割合は完璧に20対80とはいかないかもしれませんが、教科書の中で試験に出そうなポイント、上位20%を完全に暗記できれば、80点はとれないにしても、50点、60点といった半分以上の得点がとれるでしょう。
勉強時間は有限です。ですから、優先順位をつけて勉強すべきなのです。「試験に出そうな部分」と「滅多に試験に出ない部分」を同じ時間をかけて勉強するのは、ロスが多すぎます。試験に非常に出やすい「2割」と、たまにしか出ない「8割」が色分けされた「魔法の教科書」は、先にお伝えした過去問分析をすれば自分で作ることができます。
まず重要な2割から暗記する。時間に余裕があれば、残りの8割を暗記する。最初の1ページ目から平均的に勉強していくよりも、はるかに効果的に勉強できるはずです。
▽樺沢紫苑(精神科医、作家) 1965年札幌生まれ。札幌医科大学医学部卒。2004年から米国シカゴのイリノイ大学精神科に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンとし、YouTube(48万人)、メールマガジン(12万人)など累計100万フォロワーに情報発信をしている。著書46冊、累計発行部数240万部のベストセラー作家。シリーズ累計90万部の『アウトプット大全』(サンクチュアリ出版)をはじめ、『神・時間術』(大和書房)、『ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)、『言語化の魔力』(幻冬舎)、『読書脳』(サンマーク出版)など話題書多数。