川崎「元祖立ち飲み屋」店長の矜持、「飲み物は水でいい」という若い客を帰した
気が付けば店内は昭和世代でほぼいっぱい。店長でオーナーの原沢さんとスタッフのお姉さんの動きが尋常じゃない。どんなに客が多くても平然とさばいている。最近の立ち飲みは入ってきた客をほったらかす。好きな場所で勝手にやってもらう。カウンターが混んでいるときはグイッと肩を突っ込む。立ち飲み上級者にはこれができるが、こちらの店ではちゃんと立ち席を案内してくれる。立ち飲み初心者にはありがたい。来ているお客さんはベテランばかりだけどね。
「ラゾーナができたあたりから街が変わったね。危なっかしいところや変な店がなくなった」と原沢店長。再開発をきっかけに店じまいし、大手ディベロッパーに貸す2代目や3代目が多いが、「貸しちゃえば楽なのはよくわかるけれど……街がどんどんつまらなくなるよね。人間もそうだけど、清濁併せ持っていないと面白くないよ。街も同じだと思わない?」。