ベートーベンはDNA的には音楽の才能に恵まれていなかった!? 独研究チームが論文で指摘
日本では「楽聖」とも称されるドイツの大作曲家ベートーベン。驚いたことに遺伝子的には音楽の才能にはあまり恵まれてなかったという。
独バンダービルト大学医療センター(VUMC)などの共同研究チームが科学誌「カレント・バイオロジー」に発表した論文での指摘だ。
ベートーベンのDNA情報は2023年、髪の毛から抽出したサンプルによって判明。研究チームは、それを分析し、ビート同期能力(音楽のリズムやビートに合わせて身体の動かす能力)に関する「多遺伝子スコア」と呼ばれる指標を計算したところ、数値があまり高くなかった――つまり遺伝子的にリズムに関する能力が低かったというのだ。
研究チームのタラ・ヘネホビッツ氏はこの驚くべき発見についてこう語った。
「DNAに基づく予測とベートーベンの音楽的天才性の不一致は、私たちに貴重な教訓を与えてくれます。なぜなら、DNA検査では、その子供が最終的に音楽の才能に恵まれるかどうかについて決定的な答えが得られないことが証明されたからです」
ベートーベンは「努力の天才」と呼ばれている。この研究結果はそのことも証明しているかもしれない。