ベヒシュタイン・ジャパンの社長に聞いた「世界三大ピアノ」の音の違いと趣味としてのピアノの魅力
仕事帰りにふらっと立ち寄るサラリーマン
【Q】趣味としてピアノを始めるにはどうすればいいですか?
まずは好きな曲を弾きたい、という気持ちを大切にすることですね。ユーチューバーの影響もあって、今は楽譜が読めなくても耳コピで弾く人が増えています。実際当社のショールームでも、仕事帰りのサラリーマンの方がふらっと立ち寄って弾き始める、なんてこともあります。最近はシニア層の男性の入門者も増えていますよ。
ピアノ教室に通うのもいいですし、まずは練習室を利用してみるのもおすすめです。電子ピアノなら自宅でも練習できますしね。肝心なのは「良い音色」に触れること。ヨーロッパの楽器は「遊び」のニュアンスが強いので、まずは気軽に楽しんでもらえたらと思います。思いきって購入しても、ピアノはメンテナンスをしっかりすれば100年以上使い続けられます。今のSDGsの考え方を体現する楽器だといえますし、費用対効果を考えても決して高すぎる買い物ではないと思いますよ。
(聞き手=いからしひろき)
▽加藤正人(かとう・まさと)1963年、岐阜県多治見市生まれ。国立音楽大学で調律を学び、ドイツに渡って「ピアノ製作マイスター」の資格を取得。帰国後、タイヨー・ムジーク・ジャパン(現ベヒシュタイン・ジャパン)入社。2017年から同社代表取締役社長を務める。