能登半島1月以来の震度5強がもたらす精神的影響…被災地「大地震また来るのでは…」と
1月以来となる震度5強の地震が被災者に与えた恐怖は大きい。珠洲市で支援活動を行う、一般社団法人ピースボート災害支援センターの大塩さやか氏は「今回の地震は建物への被害よりも、精神的な影響の方が大きい」と、こう話す。
「仮設住宅へ移った人や、家屋の修繕が一段落した人もいて、少し落ち着いてきたかなと思っていたときに、大きな地震がまた起こった。『正月の地震を思い出して怖かった』『大きな地震がまた続くんじゃないかと不安になった』という声が聞かれました」
珠洲市では建物内の水道管が損傷し、断水状態が続く家屋が多い。水道がいつ復旧するか見通せない中、それでも能登に戻りたいと願う人は多い。
「珠洲で長年暮らしてきた高齢者などは、安全でインフラも整っている都市部に避難しても、今までと異なる環境で心身に不調をきたしてしまう。『ここでは自分らしく生きられない』と、珠洲に戻ってくる人は多いです。それだけに、今回の地震がもたらした恐怖は非常に悩ましい」
復興への思いをくじかれかねない。自然災害は無情だ。