大阪万博批判は出尽くした感があるが…即刻中止すべき決定版が出た
吉村洋文大阪府知事が、大阪・関西万博(以下万博)を中止または延期せよという世論にかたくなに耳を傾けようとしないのは、兄貴分の松井一郎や橋下徹が決めたことだから、間違っていても背くわけにはいかないという“義侠心”からではないか。
万博開催まで1年を切った。反対意見は出尽くした感がある。その主要なものを挙げてみよう。
大幅な工期の遅れと当初予算から2倍にも膨れ上がった2350億円の建設費。
万博会場になる「夢洲(ゆめしま)」の軟弱な地盤と、そこに埋まっている有害物質問題。疲弊している大阪経済立て直しのためと称して、万博よりも「博打場」建設が最終目的という“薄汚い”底意。
それに加えて国民の万博への関心の薄さである。私が思うに、今回の万博には「目玉」がない。1970年の万博には米国パビリオンが展示した「月の石」があった。先日テレビを見ていたら、前回の万博に「人間洗濯機」を出品した人が、最新のシャワーメーカーの協力を得て「未来型の人間洗濯機」を開発し、今回の万博に出展したいと話していた。これが万博のテーマ「未来社会」を象徴するモノだとしたら悲しい。