本音を言って嫌われたくない…意見の食い違いで使える「とはいっても」の効果
相手の「声」で感情を読み取る方法は?
さぁここで、相手の「声」にどのような感情の反応があるかを見極めて欲しい。いよいよ相手の本音が見えてくる瞬間だ。
■相手の反応「え?」:顔、声ともに表情が曇る場合
聞き直すような疑問系の「え?」であり、顔の表情はこわばる。声の表情は曇り、やや小さめの声となる。
このような「え?」の反応の場合、相手は本音で話していたと考えられる。山田さんのことを心から「良い人」と思っている。
■相手の反応「え!」:顔と声の表情が明るくなる場合
驚きを持った「え」であり、顔の表情がパッと明るくなる。声も一段高く、大きめになる。このような「え!」の反応の場合、相手も本音では、山田さんに対して「ちょっと気を遣ってしまう」「良い人とは思うけれど…」など、含みのある感情を抱いていたと考えられる。
そこで、あなたには安心して本音を言ってもいいのかもしれないと思い、本心を吐露し始める。このように、「え」という、たったひと言の声の表情にも本音が埋もれてしまう
自分の本音が相手の意見と同じならそれで良い、と思いがちだが、こちらも先ほどのケースの「表情が曇る」のようなこともあるので注意が必要だ。
では、同じ会話で見てみよう。
相手「 山田さんって、いつも優しくて良い人よね。昨日もお土産をみんなに配ってくれて、すごく丁寧なのよね。ほんと良い人よねえ?」
これに対して、あなたも大賛成だとする。
自分「そうなのよ。ほんと良い人よね!」
ここで相手の本音はどうなのかを見極めたい。
■ 「…」:顔、声ともに表情が曇る場合
一瞬の間が生まれた。自分の本音は違うのに、相手に同意されたことで戸惑うからだ。本音では山田さんのことをそこまで「良い人」とは思っていないことがわかる。
■「そうそう!」「だよね」:顔と声の表情が明るくなる場合
すぐさま同意の相槌を打ってきたときは、心から山田さんのことを「良い人」だと思っている。
どれだけ信頼できる人だとしても、ときに相手は本音を隠すことがある。
しかし、ここでも忘れないで欲しいのは、相手の本音がどうであれ、それらを受け止める心の余裕は持っておきたいということだ。たとえ自分が相手とは違う意見だったとしても、自分の意見を主張しすぎたり、言い切ったりしない。「とはいっても、私はこういうふうに思うときもあるんだよね」と、ライトに自分の本音をぶつけてみると良い。そうすると、相手の口からポロリと本音が出てくることもある。
まずは自分がいつも本音で話すこと。そして、本音を互いに言い合えるようになれば、「この人なら」と信頼できる関係に成長していく。