「妻とはマジで離婚する」10年以上、自分の親への非礼に我慢しバカにされ続けた41歳男
41歳、マジで離婚するつもり
「冷酷と激情のあいだvol.205〜女性編〜」では、結婚12年目にして、レスを理由に夫から離婚を突きつけられた妻・絢音さん(41歳・仮名)の苦悩をお届けしました。
では、絢音さんの夫であるシュンペイさん(41歳・仮名)は、なぜ急に離婚をしたいと言い出したのでしょうか…。そこには、妻である絢音さんの想像を超えた事情が隠されていました。
【冷酷と激情のあいだ~男性編~】
「あ、僕、今回はマジです。マジで離婚をするつもりです。
だから今日いろいろとホンネでお話しますけど、僕が話したことを、絢音に伝えてもらって構いませんから。
正直、絢音と1対1で話すと、絢音が僕の話を遮ってくるから、ちゃんと話ができないんですよ。
だから、第三者に入ってもらったほうが、僕がなんで離婚をしたいのか、ちゃんと整理して伝わりやすいんじゃないかなって気がしています」
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妻に屈するつもりはない
冷静な口調で「すでに、離婚に向けての準備を着々と進めている」と強調するシュンペイさん。
すでに妻に内緒で家を出る準備も終えたそうで、あとは別居の事実を重ねながら、妻に離婚の同意をしてもらうだけだと奇妙な自信を見せます。
「僕、この先どんなに揉めても、妻に屈するつもりはありません。
もう12年も一緒にいて、妻の性格に耐えてきたから、もう解放してもらってもバチは当たらないと思うんですよ。
レスも6年目で、今回僕は妻に対してレスを理由に離婚をしたいって伝えています。
当然ながら、レスの事実だけじゃなくて経緯や、レスを解消できなかった事情も含めて、もうこれ以上は妻とは一緒にいたくないって結論を出しただけなんです」
まったく感情的になることなく、シュンペイさんは、淡々と自分の思いを話し続けます。
聞けば、レスのほかに離婚を決意した事情として、シュンペイさんの親と妻との関係性も強く影響していると言います。
親に対して失礼すぎる振る舞いを
「妻は、僕の親に対して10年以上にわたって、失礼な態度を取り続けたんです。
実家の親が上京して遊びにきても、家に泊まるのを渋ってホテルに泊めさせたり、娘の塾や習い事を言い訳にして、会わせようともしなかったり…。
それだけじゃありません、盆や正月の帰省でも、僕の実家には泊まらずに娘を連れて駅前のホテルに勝手に泊まるし…。
とにかく妻のやることは、めちゃくちゃなんですよ」
親をバカにしている女を抱きたくない
シュンペイさんは、苦々しい表情で言ったあとに「そんな妻を抱こうって気になります? 普通、ならないですよね? それに、この先両親の介護問題が出てきたときに、そんな妻を頼れます? 無理ですよね?」と肩を落とします。
「たかが『レス』って思うかもしれないけれど、そこには僕の親をバカにしている女を無理してまで抱きたくないって感情が、ずっとあったんですよ。
それでも妻が僕に抱いてほしそうなら、夫婦だし抱く義務があるんだろうって思いますけどね。妻から僕を求める様子もなかったんで。
だからもうずっと前から僕は、親が元気なうちに離婚をしようって、腹に決めていたんです。
まぁコロナ禍があって、ちょっと遅くなっちゃったけど、それがたまたま今のタイミングだったっていうだけなんですよ」
浮気は断じてしていない
今回ばかりは離婚の決意は固いので、誰が何を言っても考えを変えるつもりはないと強調するシュンペイさん。ひょっとして浮気をしている背景はないのかと尋ねてみると…。
「ないです。そんな自分に不利になること、するわけないじゃないですか。
彼女をつくるなら、離婚をした翌日からにしますよ! 今は妻に対して落ち度をつくりたくないし、弱みを見せるわけにもいかない。
だから、離婚をするまでのあいだは、絶対に浮気なんてしません。とにかく僕は、早くあの家を出て、妻と正式に離婚をしたいだけなんですよ。
僕は離婚が成立したらその翌日から、次の妻を探し始めるつもりです。今度こそ親と折り合いのいい女性を選んで幸せになりますよ」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
(並木まき/ライター・エディター)