ウインズ後楽園の“お膝元”神田三崎町の地元住民が語る「江戸と令和を結ぶ歴史」
JR水道橋駅から神田川にかかる歩道橋を渡って目の前にある黄色いビルはウインズ後楽園で、日本最大規模の場外馬券場だ。その奥には後楽園ホールや東京ドームが鎮座し、この辺りはプロスポーツの聖地でもある。熱戦に興奮した人たちがその日の一杯を求めて目指すのが、駅の南側に広がる繁華街・神田三崎町だろう。実はこの町には意外な歴史がある。
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JR水道橋駅の開業は明治39(1906)年で、その駅名は水道橋という地名があてられたのかと思いきや地名はなかった。現在の駅がある神田川流域からほぼ100メートル下流にかかる水路が水道橋といわれたことに由来する。駅の所在地は東京都千代田区神田三崎町2丁目だ。
その神田三崎町のルーツをたどってみよう。1872年、東京府の町が新町名に改称することで小川町から三崎町に。1947年の地方自治法施行で旧東京市の神田区と麹町区が合併して千代田区が誕生したとき、旧神田区の町が相次いで神田を冠称して三崎町も神田三崎町となっている。東から順に1丁目、2丁目、3丁目が並ぶ。