しかし、98年に転機が訪れる。大倉商事が不動産開発の失敗などで経営が悪化し、倒産したのだ。泰芳さんは56歳。小林氏は4年時に留年し、まだ東大在学中だった。
「人生の憂き目に遭った泰芳さんですが、00年には都内の老舗建材メーカー『ノダ』に再就職。商社マン時代の経験がモノをいったのか、いきなり貿易事業部長を任され、02年には取締役に出世しています」(知人)
ノダは従業員1000人超の上場企業だ。08年に泰芳さんは常任監査役に就き、12年に退社した。キャリアの崖っぷちからV字回復を果たしたコバホークの父は、決して「普通のサラリーマン」ではない。