愛犬が急に豹変したらどうする? 重度の「分離不安症」の可能性も
ワンちゃんの中には、ちょっとした飼い主さんの仕草や行動でスイッチが入って急に攻撃的になったり、豹変したりするタイプがいます。そうなると飼い主さんでも噛みつかれたりして大変でしょう。分離不安症といって、軽度ならフェロモン製剤が効果的。その製剤はこの連載でも紹介しましたが、重症のケースについてお話しします。
先日、当院の近くに転居されたのを機に連れて来られたのは、11歳のワンちゃん。かなり性格がきつく、サロンでは暴れて危険なためトリミングを断られ、以前は近所の動物病院で麻酔鎮静してトリミングしていたといいます。元の病院で「同じ方法でのトリミングが可能な動物病院を探してやってもらうといい」とのアドバイスで受診されたようです。
飛びはねるネコちゃんだと危険防止で麻酔をかけることはありますが、ワンちゃんではほとんど聞きません。それで用心しながらそのワンちゃんとコミュニケーションを取ろうと、おやつをあげると、私の手から何ともなく食べてくれました。餌付け完了でコミュニケーション良好です。
話を聞くと、何かの刷り込みで興奮するとのこと。それが、リードをつけたり、トリミングで体に触られたりする行為のようです。そうだとすれば、気になることがありました。あくまでも推測ながら、トリミング台から落下防止でリードで柱に固定された状態で、叱られたりしたことがトラウマになったのかもしれません。