愛犬が急に豹変したらどうする? 重度の「分離不安症」の可能性も
結局、当院では最後まで穏やかで保定しても大丈夫でした。ふだんは全く問題ないのに、トリミングに麻酔が必要だとすれば、逆に重症の分離不安症と判断できます。フェロモン剤では治りません。軽症には不向きですが、精神安定剤に分類される強いクスリをきちんと治療計画を立てて使えば十分な改善が見込めます。
■薬の離脱には2カ月ほど
その薬は依存度が強いので、効果を確認したら少しずつ容量を減らして薬から離脱すること。そこまで完遂するには2カ月ほどかかりますが、その治療計画があれば問題ありません。
ちょっとしたことで急に豹変するワンちゃんは、どこかで刷り込みが影響している可能性が高いので、こうした本格的な治療が必要です。「依存性のある薬はちょっと……」と思うなら、まずはしつけが上手なドッグトレーナーさんに“スイッチの解除”を相談するとよいでしょう。その際、どういうときにスイッチが入るのかをしっかり伝えることが重要なので、前後の状況をメモしておくことをお勧めします。それでも改善しなければかかりつけ医に分離不安症について相談するとよいと思います。
(カーター動物病院・片岡重明院長)