著者のコラム一覧
髙橋裕樹弁護士

「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

弁護士のスマホ禁止…やりすぎでは? 今や証拠の確認やメモを取るための重要なツールなのに

公開日: 更新日:

 打ち合わせの際にパソコンやスマホを利用してデータを確認したり、議事録を取ることはもはやスタンダードでしょう。

 弁護士が、逮捕されている被疑者の方と打ち合わせをする際にも当然同様のニーズがありますが、パソコンやスマホの利用はかなり制約されています。

 警察が接見中にスマホの使用を禁止する理由は、証拠隠滅や共犯者との連絡防止、犯罪計画の続行を防ぐためです。スマホが外部との連絡手段として利用されるリスクを警戒しているのです。しかし、この禁止が弁護士にも適用されるのは大きな問題です。弁護士には守秘義務があり、相談内容を外部に漏らすことはありません。また、スマホは弁護士にとって証拠の確認やメモを取るための重要なツールです。一律に使用を禁止することは、被疑者・被告人の十分な防御を受ける権利を奪う危険があります。

 もちろん、「ルフィ事件」のような特殊な事例もあります。この事件では、被告人が弁護士のスマホを使い、外部の人物と通話して口止めを受けたとされています。このケースは、弁護士以外の人物との外部連絡が問題であり、接見交通権で保障される「被疑者・被告人と弁護士の相談」とは本質的に異なります。このような特殊な例を一般的な接見交通権の問題と混同してはいけません。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された