精神科医・和田秀樹氏が語る「老害」を乗り越える方法

公開日: 更新日:

■老害の壁を壊す

 高齢者にイラつく不寛容な空気、それを私は“老害の壁”と呼んでいます。こんな壁は壊していくべきです。

 “老害の壁”を壊していくには、まずは中高年やシニア世代が自分の意思を貫き通し、楽しく幸せに生きることです。職場では謙虚であっても卑屈にはならず、媚びることなく働く姿を見せることです。そんな姿勢こそ、あなたの幸せや不寛容社会の是正につながります。
 
 誤解しないでいただきたいのですが、私は「組織内でシニアの立場を上げよう」と鼓舞したいわけじゃないんです。へりくだりすぎてあなた(シニア)の価値を必要以上に下げるのはもったいないと訴えたいだけです。この「なんでもかんでも老害」という今の風潮にどこかで歯止めをかけないと、高齢者から生活、健康、楽しみなどの自由がどんどん奪われかねません。

 まずは、あなたの心に潜んでいる“べき”を手放しましょう。たとえば「老害って思われないようにすべき」「職場に馴染むべき」「職場では褒められるべき」……。

 大切なのは、仕事をきちんと遂行することだけです。“かくあるべし”というように、人間の判断をゆがめてしまう思考パターンを「不適応思考」と呼びます。平たく言うと、私たちの考え方を勝手にゆがめてしまう癖みたいなものです。この不適応思考が深刻化すると、精神的な落ち込みが強くなり、やがてはうつ病を発症しやすくなります。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上智大は合格者の最大40%も…2021年から急増した「補欠合格」の現状

  2. 2

    慶応幼稚舎の願書備考欄に「親族が出身者」と書くメリットは? 縁故入学が横行していた過去の例

  3. 3

    「NHKの顔」だった元アナ川端義明さんは退職後、いくつもの不幸を乗り越えていた

  4. 4

    赤西仁と田口淳之介が始動…解散した「KAT-TUN」元メンバーたちのその後

  5. 5

    永野芽郁の「文春」不倫報道に噛みついたGACKTさんは、週刊誌の何たるかがわかっていない

  1. 6

    人間の脳内のマイクロプラスチック量は「使い捨てスプーン」サイズ…8年前より1.5倍に増えていた

  2. 7

    「ニュース7」畠山衣美アナに既婚者"略奪不倫"報道…NHKはなぜ不倫スキャンダルが多いのか

  3. 8

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  4. 9

    トランプ大統領が大慌て…米国債の「金利急上昇」は何が大問題だったのか?

  5. 10

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”