シニアの飼い主が亡くなった後、残されたペットをどうするか?
ヒトの老後がそうであるように、ペットの老後も大きな問題になっています。その現状を象徴する出来事があったので紹介しましょう。
老夫婦が飼っていたワンちゃんは15歳で、10年以上当院のかかりつけです。奥さまが認知症で介護施設に入所されてからは、ご主人がひとりで世話をしながら、毎月1回、当院でトリミングしに来られていました。
そんな中、先日、その娘さんから電話を受けたところ、ご主人が亡くなっていたとおっしゃったのです。ワンちゃんもエサがなく、衰弱状態。かかりつけの当院で預かってほしいというのが、主な内容です。
シニアの飼い主さんがペットを残して亡くなると、残されたペットの世話が問題になります。ご遺族やご家族が引き取るのが理想ですが、引き取り手の住宅事情をはじめいろいろな要素が絡み合うため、簡単に話がまとまるとは限りません。
そこで候補に挙がるのは各地にある動物愛護センターですが、「適正飼育かつ終生飼育」を大義にするため、飼育できなくなったペットの受け取りは拒否されるため、非営利の第2種動物取扱業者を紹介されることがよくあります。